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サマタイブログ

1990年生まれ独身男性による雑記ブログ。

【管理栄養士が解説】糖質制限ダイエットがなぜおすすめできないのか【ケトジェニック・ダイエット】

サマタイです。

 

みなさんは普段どのような食事を食べていますか?

 

テレビや雑誌、SNSなどでよく話題となる「糖質制限ダイエット」は食事に無関心な人でも聞き覚えがあるほど広く認知されていますよね。

 

そんな「糖質制限ダイエット」ですが、正しい知識がないと実はダイエットには逆効果です。

 

今回は管理栄養士の僕が糖質制限ダイエットがなぜおすすめできないのかを解説します。

 

糖質制限ダイエットの仕組み

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私たちの体は普段の活動時では「炭水化物」「脂質」「タンパク質」の3大栄養素のうち、「炭水化物」を最も多くエネルギーとして消費しています。

 

「炭水化物」は消化吸収できる「糖質」と消化吸収ができない「食物繊維」に分かれます。

 

糖質は体の中に「グリコーゲン」という形で筋肉と肝臓に少量貯めておくことができますが、糖質の摂取量を制限すると体内で貯めているグリコーゲンがエネルギーとして消費されます。

 

グリコーゲンを使い切ると今度は体脂肪や筋肉のタンパク質を分解してエネルギーとして消費されます。

 

このように、糖質を制限することで体脂肪を分解するように促す食事方法が糖質制限ダイエットの仕組みです。

糖質制限ダイエットのメリット

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手軽に始められる

主食を抜くだけで始められる手軽さがメリットです。

 

また主食の代わりに肉や魚を中心にしっかり量を食べられるので、空腹を我慢しなくていいことが強みです。

 

一般的なダイエットでは食べる量を減らしたり、運動で体脂肪を燃やすなどつらいイメージがつきものですが糖質制限ではそのようなイメージがありません。

 

手軽に始められてダイエットのきついイメージがないことから世間に広く知られるようになったのではないでしょうか。

結果が出やすい

前述の通り私たちの体は糖質を制限すると体脂肪や筋肉のタンパク質を分解してエネルギーとして消費するように働きます。

 

同時にこの状態では食事から摂った糖質を体脂肪として蓄えようとする「インスリン」というホルモンの分泌量も減少するため、相乗効果で短期間で減量の結果が出やすいこともメリットです。

 

このように短期間で結果が出やすいことも話題となった一因だと感じます。

糖質制限ダイエットのデメリット

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食材選びが難しい

本や雑誌、インターネットの情報などで手軽に糖質ダイエットの情報は得られますが、糖質をどの程度まで減らし他の栄養素はどの程度摂取すればよいのか明確な基準値がない為、手探りで始めることになります。

 

また主食を制限する代わりにあとは何を食べてもいいというものではなく、肉や揚げ物より青魚を摂取するように心がけたり、野菜や海藻、きのこといった食べ物を豊富に食べながら栄養バランスを整えたりする必要があり普段より一層食事内容に気を付けなくてはなりません。

 

良かれと思って野菜を多く食べていても、野菜によって糖質が多く含まれているものもあり、食材の知識が必要不可欠となります。

筋肉量が落ちる

糖質制限では糖質の代わりに体脂肪を分解してエネルギーとして消費しますが、適正なタンパク質量を摂らないと筋肉もどんどん分解されてしまいます。

 

特に糖質制限で体の「グリコーゲン」を使い切っている状態では筋肉のタンパク質の分解量が多くなるため、筋肉量を維持するためには大量のタンパク質が必要とされます。

 

筋肉量が落ちると基礎代謝量が落ちるため、気を付けないと前よりも痩せにくい体になってしまいます。

体調を崩しやすくなる

今までの食事で不足がなかった糖質が制限されることで倦怠感、眠気、頭痛、めまい、便秘などの症状が出る場合があります。

 

主食を制限する代わりに肉や揚げ物などを食べすぎると悪玉コレステロール値が上昇するため、長期的に見て心筋梗塞脳梗塞のリスクがあります。

 

糖質制限では体脂肪を分解すると「ケトン体」という物質が生成されます。

(ケトジェニックダイエットの名前の由来です)

 

糖質制限で安定したブドウ糖が脳に提供されないときはブドウ糖の代わりに「ケトン体」が脳のエネルギーとして利用されますが、「ケトン体」は大量に生成されると血管機能に影響を与えたり、悪玉コレステロール値を上昇させるなどの可能性があります。

おわりに

いかがでしたでしょうか?


手軽に始められて効果が出やすいダイエットとして広く知られるようになった糖質制限ダイエットですが、メリットばかりが先行し食材選びの難しさや長期間行った際のリスクなどのデメリットについてはあまり広くは認知されていないのではないでしょうか。

 

管理栄養士の立場からは栄養管理の難易度が高い上に長期的に見てリスクが大きいためあまりおすすめできないというのが正直な感想です。

 

実施にあたってはできれば医師や管理栄養士などの専門職のサポートのもとで行うことをおすすめします。

 

肥満の方や疾病を抱える方には時に食事制限をすることは有効な治療法ですが、適正体重を維持できている人や成長期の子供などに無理な食事制限をかけることは逆効果です。

 

世の中には様々なダイエットがありますが、バランスの良い3食の食事と適度な運動、十分な休養を保つことが健康になる一番の近道です。

 

この記事がみなさんの一助となれば幸いです。

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